さくっと分かるニュースの見方

新聞などを読み比べてニュースのポイントを考えます

「強い官邸」とは?~日本の政治改革をおさらい

日本の政治のカタチは、1990年代の政治改革をへて、この20年間でずいぶんと変わってきました。その成果はどうだったのでしょう。安倍1強の弊害、後手後手のコロナ対策…。現状をみるに、あまり「いい改革だった」とはいえないのかもしれませんね。 朝…

アメリカ大統領選はなんだったのか

アメリカ大統領選は、民主党候補のバイデン氏の勝利が確実となった。新聞各紙で論考が出ているのでおさえておこう。 日経の経済教室(11月26日朝刊)での、会田弘継氏の考察を見てみよう。「米国で起きている政治混乱と再編の台風の目」と指摘するのが、…

新常態への対応

日経11月19日朝刊によると、日本企業の4月~9月期決算は、「新常態」への適応力によって明暗が分かれたという。 例えば、味の素は、巣ごもりで家庭での調理機会が増え、和風だしの素「ほんだし」やコンソメなどの調味料は事業利益が2割増。冷凍食品も…

日本の野党はなぜ勝てないのか

日本政治の特徴として、野党が弱い、ということが挙げられる。戦後からずっと、ごく一部の期間を除いて、野党は主張するだけで大きな塊にはならなかった。そして、分裂を繰り返す。この野党の弱さが、安倍長期政権を支えた面もある。なぜだろう? 野党はひと…

変わるビール業界~10月酒税改正

10月1日からビール系飲料の税額が変わり、商戦が熱を帯びているという。第3のビールは値上がり、通常のビールは値下がりするそうだ。これを機に、業界各社が戦略を練っているという。 まず、第3のビールとは何か。読売新聞(9月23日朝刊)によると、…

安倍政権は「あり」だった~論壇まとめのまとめ

各種報道によると、ひとまず衆院解散10月25日投開票のラインはなくなったようだ。そんな中、安倍政権を振り返る論考のまとめが、朝日新聞「論壇時評」(9月24日朝刊、津田大介氏)に掲載されていたのでおさえておく。 安倍政権はリベラル・左派に大変…

自民党新総裁とはいかなる人物か

14日の自民党総裁選で、菅義偉官房長官が第26代総裁に選ばれた。どのような人物か、どのような政治が展開されるか。各紙から確認していこう。 まず、読売新聞(9月15日朝刊)である。「異例づくめの」「たたき上げの」といった言葉が並ぶ。非世襲であ…

「どう稼ぐか」は変わる、変わらなければならない

日本経済新聞(9月8日朝刊)によると、創立100年目の自動車メーカー「スズキ」が、成長の壁に直面している。 スズキといえばインド。2020年3月期の世界販売台数の半分にあたる143万台を占める。これは、現在90歳になる鈴木修会長が、社長時代…

「8月ジャーナリズム」を考えてみる

毎年、日本では8月になると、「あの戦争」を振り返る特集記事・番組が報道の世界を覆うことになっている。「記憶の継承」というやつだ。だが、しかし、どうもマンネリで、身に染みてこない。 むしろ「あの戦争は何だったか」を問うのではなく、「いかにして…

安倍長期政権の採点

安倍首相の連続在職日数が8月24日に2799日となり、佐藤栄作元首相の記録を抜いて歴代最長となった。安倍長期政権は何をもたらしたのか。各紙がフォーカスしているが、辛い採点が目立つ。 政権寄りともいわれる読売新聞(8月24日朝刊)は、安倍首相…

コロナショック~政治へのインパクト

新型コロナウイルスの感染拡大は、世界規模で政治思潮の変動をもたらすだろう。具体的には、「小さな政府」から「大きな政府」へ、ということになろうか。 朝日新聞(8月22日付朝刊)の連載「コロナショック 変容する経済5」は、財政政策と金融政策の「…

米大統領選の行方

米民主党大会で、ジョー・バイデン前副大統領が大統領候補に正式指名された。どのような人物なのか。新聞各紙から、探ってみた。 日本経済新聞(8月20日)によると、波乱の人生を歩んでいるようだ。まず、計44年の国勢経験を持つ党の重鎮。勝てば米国史…

コロナ後の世界~政治、経済と社会

「今年の世界の公的債務は第2次世界大戦時を抜いて過去最大になる」 そんな書き出しで驚かせるのは、日経(8月3日)のオピニオン「核心」である。論説委員長の藤井彰夫氏は、世界は未曽有の「大借金時代」に入ったと指摘する。そして、これは巨大な借り手…

分断社会とテクノロジー

アメリカの政党支持といえば、スタバで高級紙を読みながらコーヒーを飲むのが民主党、バーでアメフト観戦しながらビールを飲むのが共和党といったように、生活カルチャーと固く結びついている、と何かの新書で読んだことがある。 しかし、現代アメリカの「分…

「コロナ後」の考察~何が変わるのか

新型コロナウイルスの感染拡大は、日本に大きな課題を突き付けた。多岐にわたることだが、このうち都市政策と働き方へのインパクトに注目したい。どのような変化がありうるだろうか。 日本総合研究所主席研究員の藻谷浩介氏は、日経新聞(7月11日)のブッ…

7月5日投開票の東京都知事選は現職の小池百合子氏の圧勝におわった。さて、問題はこれが国政選挙にどうかかわってくるか、である。 日経(7月7日付)は、新型コロナウイルス感染拡大という状況の中で「安定を求める声を浮き彫りにした」と指摘。「選挙戦…

リニア工事延期のなぜ

品川―名古屋間を40分で結ぶという超高速のリニア中央新幹線の2027年開業が、延期となった。JR東海の金子慎社長と静岡県の川勝平太知事の会談が、平行線のままだったからだ。大きく取り上げられたニュースであるが、いまいち何が問題なのかわかりづら…

衆院の秋解散はあるのか?

このところ急に、「衆院解散があるかも」な報道が出始めている。これはどういうことなのだろうか。 朝日新聞(6月23日朝刊)では、「遠くない時期の衆院解散の可能性を示唆する発言がにわかに目立ち始めた」として、与党幹部の発言を紹介している。また、…

変わらぬ日本への怒り

日経新聞といえば、政治的な主張は中立のようなイメージがあったが、新型コロナウイルスへの政府対応をめぐっては批判的なトーンが目立つ。批判を超えて「怒り」すら感じられる。何への? 変わらぬ日本型組織そのものへの、だ。 6月9日に始まった5回連載…

税金がいつのまにか消えていく?

新型コロナウイルスの感染拡大でさまざまな業種が苦境に立たされているが、そんな中で、ろくに苦労せずにがっぽり血税をかすめとる連中がいるらしい。 話題になっている持続化給付金の「民間委託」である。日経が6月6日付で問題点を整理している。まず第1…

検察高官とマージャンはありか?なしか?

週刊文春の久々の文春砲(5月28日号)によって明るみに出たのが、黒川弘務・東京高検検事長(当時)への新聞記者による接待賭けマージャンだ。いろいろな視点がありうると思うが、ここでは記者と情報源との距離について考えてみたい。 同誌では、産経新聞…

9月入学はあり?なし? コロナは社会を変革するか

新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、学校の始業や入学時期をずらす「9月入学」の話題がぽつぽつと持ち上がってきた。どうせ本気じゃないだろうと思っていたら、日経新聞は結構乗り気で持ち上げている。ビジネス界では推進派が多いのだろうか…。 5月1…

コロナの中でも売れるもの

日経新聞をぱらぱらと読んでいると、こんなコロナのご時世でも逆に「売れる」ものがあると分かって面白い。 5月8日付朝刊「在宅シフト消費激変」によれば、在宅勤務が増えたために、パソコンが復権。一方で、化粧品は急減した。 なんで? テレワークで自宅…